「ゼロ師匠たちー!」
「豆をお持ちしましたよー!」
「豆?」
「はい、セツブンの豆まき用の豆です!」
「家の中の鬼を追い出して、代わりに幸福を呼びこむという行事なんですよ!」
「鬼って何だ…?」
「よくはわからないんですが…角の生えた恐ろしい怪物だとか」
「怪物?家の中にそんなやつがいるのか?」
「師匠、ヤドカリの裏見てないで師匠もこっち来てくださいよ」
「それをこの豆を投げて追い出すんです!」
「恐ろしい怪物なのに豆なんかでどうにかなるのかよ」
「師匠!」
「めんどくせえな…」
「悠長に豆なんか投げてないで直接ぶっ倒したらいいじゃねえか」
「い、いや師匠、そういうことじゃないんですよ」
「オニワソト、フクワウチって言いながらあの豆を投げるんです!」
「お庭外…?」
「ほんとに鬼がいるわけじゃなくてなんていうかこう…厄払いとかそういうことなので豆でいいんですって」
「ふーん…じゃあまあいいけど…」
「鬼を追い出す呪文なので、"鬼は外"ってことですかね」
「ああ、じゃあ"福は内"か」
「よーしいくぜえええ!」
「師匠が全力で投げたら壁に穴空きそうなので気を付けてくださいね…?」
「おにわそとー!」
「ふくわうちー」
「よし、こんなもんですね!」
「まだ結構あるけど全部まかなくていいのか?」
「ふー、これで鬼は追い払えましたかね!」
「師匠、豆はこのあと食べるんですよ!」
「おっ、そうなのか、それはいいな」
「福を取り込んで元気に過ごせるように、なんですって!俺たちもいただきましょう!」
「地球にはいろんな行事があるな」
「では年齢の数の豆をいただきましょう!」
「年齢!?5900個!?」
「師匠、頑張りましょうね!」
「いや無理だろ」
「さ、師匠、あと5879個ですよ!」
「……ウッ………」
「豆…大きいから1個で結構お腹に来ますね……」
「うまい」
(アーツゼロさんに「それは人間向けのルールだから」と説得されて年齢分食べるのは諦めました)
「師匠…俺が無理に食べさせたから…しっかりしてください師匠ー!!」
「やめろ、揺するな」
「く…苦しいです師匠…」
「元気に過ごせるようになるための豆で具合悪くなってりゃ世話ないぜ」