エビ🦐の師弟ズ劇場

ツイッターで作ってるお話の保管庫。ゼロさん2人とゼットくん2人のちっちゃい4人がワイワイやってるのが好きなので生活感あふれる部屋が背景。笑 食べ物・お料理ネタはプラントベース。

バレンタイン当日

ultra-shimiebi.hatenablog.com

バレンタイン当日…
「師匠たち!」
「俺たちからのバレンタインチョコです!」
「おー」
写真。青いリボンをかけた赤い箱の周りに、ウルトラマンゼットとウルトラマンゼロのフィギュアがふたりずつ立っている。ゼットたちは箱に向かって両手を広げている。

「ささ、開けてください」
「ありがとな!今年はどんなチョコを作ったんだ?」
「え!」
写真。フィギュアーツのゼットが箱を手で指し示している。ウルトラアクトのゼロが軽く手を挙げて、向かいにいるアクションフィギュアのゼットに話しかける。

「いやあの…」
「今年は買ってきたチョコで…」
「え、あ、そうか」
写真。アーツのゼットはおろおろと手を胸の前で組み、アクションのゼットは両手を前に出して説明している。

「ったくおまえ、手作りとは限らねえだろ!」
「う、うるせえな」
「すみません…」
「美味しそうなの選んできたので…」
写真。アーツのゼロがアクトのゼロに向かって手を挙げており、アクトのゼロがややひるんでいる。

「でもおまえだって『あいつら今年はどんなの作ったのかなぁ~』とか言ってたじゃねえかよ」
「なっ、そんな言い方はしてねえだろ!」
「え…」
「師匠たち…」
写真。今度はアクトのゼロがアーツのゼロのほうに向かって手を挙げており、アーツのゼロがひるんでいる。ゼットたちはそんなゼロたちを見ている。

「と、とにかく…」
「開けようぜ」
写真。ゼロたちがリボンに手をかけて引っ張っている。

「おっ、チョコがかかったオレンジだ」
「これ、いつものヴィーガンスイーツの店の」
「そうなんです、森のチーズサンドの新作、ショコラオランジュです!」
写真。アクトのゼロがドライオレンジのチョコがけ、アーツのゼロが紙の包装紙に包まれたお菓子を箱から取り出している。

「さっきは手作りがどうのって変なことになっちまって悪かったな」
「ありがとな、一緒に食おうぜ」
「師匠たち…!」
「……じ、じつは」
写真。お菓子を足元に置いてゼロたちがゼットたちのほうに手を差し出している。アーツのゼットが両手を胸に当てて嬉しそうにしているが、アクションのゼットはうつむいている。

「俺たち今年もチョコ作っ」
「ちょ、シーッ!」
「な、なんだ!?」
写真。アクションのゼットがゼロたちに向かって両手を出して前のめりになっているが、アーツのゼットが横から手をのばしてその口を塞いでいる。

「なんだよ!師匠たちあんなに俺たちの手作りチョコを楽しみにしてくれたんだから!」
「だからってあんなウルトラむごいチョコは贈れないなって話になっただろ!」
「え、いや俺たちは……え?」
「むごいチョコ……?」
写真。アクションのゼットがアーツのゼットの手を払いのけて、二人で言い合いをしている。ゼロたちはそれを見ている。

「本当は俺たち今年もチョコ作ったんです!」
「え?」
「で、でもあの、失敗しちゃってちょっと大変なことになったっていうか…」
「大変な?」
写真。ゼットたちがゼロたちに向かって手を広げて話をしている。

「俺やっぱり持って来る!」
「あ、待て!」
「なんなんだ…」
写真。走り去るアクションのゼットを追いかけるアーツのゼット。ゼロたちはそれを見ている。

「俺たちが手作りチョコをあげたかった気持ちだけは知ってください!」
「師匠…もうこうなったらお見せしますけど……覚悟はいいですか?」
「え、何なの?こえーんだけど」
写真。写真の真ん中にプラスチックの保存容器が置かれており、ゼットたちが白い蓋に手をかけてゼロたちのほうを見ている。

ヴィーガンホワイトチョコ・クランベリー入りです!」
「うっ……」
「あー……な、なるほど……」
写真。ふたを開けたところを上からみんなで見ている。中にはラズベリーの赤いつぶつぶが入った、ウルトラマンたちの顔の形のホワイトチョコレートが入っているが、失敗して顔がボロボロ。

「師匠たちがそんなに俺たちの手作りチョコを楽しみにしてくれてたなんて…俺たちのウルトラばか!」
「師匠たちがあんなに楽しみにしてくれてたのはウルトラ嬉しいけど、失敗は失敗なんだから…」
「あんなに楽…いや、うん、まあでも、ありがとな」
「味は失敗じゃないんだろ?」
写真。うつ向いているアクションのゼットに話しかけているアーツのゼット。

「見た目は確かにアレだけど…クランベリーうまそうじゃねえか」
「チョコのいい香りもするしな」
「し、ししょ…」
「師匠たち…!」
写真。アクトのゼロはゼットたちを見て、アーツのゼロは保存容器の中を見て、それぞれ手を挙げて喋っている。ゼットたちは口元に手を当てて嬉しそう。

「ししょーっ!」
「うるせえな」
「たとえ見た目は失敗でも、込められた俺たちの愛が師匠にちゃんと伝わる…これが師弟愛ってことなんですね師匠!」
「失敗したとか言いながら自分に都合のいいように話を持っていこうとするな」
写真。アーツのゼットがアーツのゼロに駆け寄って、顔を手で止められている。アクションのゼットはアクトのゼロと向かい合って話をしている。(アクションのゼットは両手でハートを作っているつもりだがそう見えない)

「これが俺かー」
「味は美味しいはずなので!」
写真。アクトのゼロがあぐらをかいて自分の顔の形のチョコを持ち眺めている。隣にアクションのゼットが脚を前に出して座り、ゼロのほうを見ている。

「親父の顔が…」
「これがセブン大大師匠の顔だってわかるなんて、さすがですね師匠!」
写真。アーツのゼロとゼットが並んで脚を前に出して座っている。ゼロは膝の上にセブンの顔の形のチョコをのせているが、チョコの顔がボロボロになっている。

むごい顔面チョコになっちゃったけど受け取ってはもらえてテンションが上がり、パッケージで遊ぶゼットくん。
「師匠、俺たちもここ入って並んで写真撮ってもらいましょうよ!」
「やだよ」
写真。チョコを入れていた箱にハートの穴がくりぬかれていたので、アクションのゼットが中に入ってハートの穴から外を見ている。アーツのゼットが箱に手をかけてアーツのゼロを振り返っている。