エビ🦐の師弟ズ劇場

ツイッターで作ってるお話の保管庫。ゼロさん2人とゼットくん2人のちっちゃい4人がワイワイやってるのが好きなので生活感あふれる部屋が背景。笑 食べ物・お料理ネタはプラントベース。

救急箱

「師匠!いいものを手に入れました!」
「いいもの…?」
向かい合って立っているゼットとゼロ。

「このまえのやっとこみたいなもんじゃねえだろうな…」
「もっといいものですよ!」
ゼットが後ろを向いて、何か箱のようなものに手をかけている。

「救急箱と…」
ゼットがゼロの前に救急箱を1つ置く。

「救急箱と…」
ゼットが、さっき置いた救急箱の上にもう一つ救急箱を置く。

「救急箱です!みっつもあるので、これでケガしても大丈夫ですね!」
「ふーん…?」
ゼットがさらにもう一つ救急箱を抱えている。

「中身は?」
「えっ?」
ゼロが片膝をついてしゃがんで、救急箱を1つ開けているが、空っぽ。ゼットは救急箱を1つ抱えたまま立っている。

「箱だけみっつもあってもどうしようもないだろ、箱で治療するわけじゃねえんだから」
ゼロがしゃがんたままゼットのほうを見る。

「か…考えていませんでした………」
ゼットが抱えていた救急箱を落として蓋が開いてしまうがやはり中身は空っぽ。

「………これ、しまってきます…」
「ったく………」
ゼットが救急箱を持ち、うつむいて去っていく後ろ姿。ゼロは立ち上がって自分の額に手をやっている。

「はー、箱だけみっつも…そりゃそうだよなあ…ウルトラ無意味だよなあ……」
ゼットが足を投げ出して座り、救急箱を抱えている。後ろのほうからゼロが買い物袋を持ってやって来ている。

「ほらよ」
「えっ!?師匠!?」
ゼロがゼットの後ろから買い物袋を差し出す。

「師匠、これ…!!」
ゼットが立ち上がって袋の中を見る。ゼロは腰に手を当てて立っている。

「包帯にはさみに絆創膏じゃないですか!!」
「とりあえずそのくらい入れとけばいいだろ」
ゼットは袋から取り出したものを両腕に抱えている。

「この黄色の箱に入れますね!」
ゼットが黄色い救急箱に道具を入れて、蓋を閉めようとしている。

「師匠、ケガしたらいつでも言ってくださいね!これ持ってきますから!」
(俺が買ってきたやつだけどな…)
ゼットは道具を入れた救急箱を抱えてゼロを見る。